スカイラインの歴史


羊の皮を着た狼


スカイラインの「レース神話」は、昭和39年(1964年)5月3日に行われたこの第2回日本グランプリで生まれた。 当時最新鋭のプロトタイプ・スポーツカーのポルシェ904GTSをスカイラインが抜き去るという快挙をやってのけたのである。
スタートからトップを走る、式場壮吉のポルシェ904GTSを生沢徹のスカイラインGTが7週目のヘアピンカーブでとらえ、8週目までリードしたのである。
ポルシェ904GTSはレース専用に開発された650kgのFRP製軽量ボディ、それに対して量産車をベースとしたスカイラインGTは1100kgもあったのだから正に驚嘆の一語につきる。
この日本中のレースファン、自動車ファンを熱くさせたシーンがスカイラインへのラブ・コールを呼び、S54B(愛称・ゴーヨンビー)として市販されたのである。

スカイライン誕生まで

第二次世界大戦当時、隼(はやぶさ)は世界でもっとも早い戦闘機の一つだった。
戦後はやぶさを作っていた人々はその技術を生かす道を自動車の製造に見いだし昭和22年4月第一号車を完成させた。それはガソリン払底の社会に合わせた電池で走る電気自動車で「タマ一号」と名付けられた。
タマ一号は通産省の電気自動車性能試験で13項目中12項目をトップで占め一躍自動車業界のホープに躍り出、世界に名だたるはやぶさの技術はみごと車に受け継がれたのである。
昭和25年朝鮮動乱が勃発、タマ電気自動車の販売は既に軌道に乗っていたが電池に欠かせぬ鉛を確保する事が困難となり生産中止のやむなきに至る。
タマ電気自動車を作っていたスタッフはガソリン自動車への転換を志しす、それは新たな試練への挑戦だった。そして設計スタッフはわずか一年で試作に成功、ガソリン自動車は昭和27年3月「
プリンス・セダン」と命名され発売された。最高時速110KMという性能は他の国産車を圧していた。
当時の車両価格は132万円!都心に住宅が一棟建てられる金額だった。昭和29年に第一回日本モーターショーが日比谷公園で開幕、車に対する一般の関心も高まり初めていた時期だったがまだまだ値段が高く庶民には手の届かぬ高級品だった。
昭和30年発表されたプリンスセダンの改良型は他に先がけてチューブレスタイヤ・高速型のOHVエンジンを採用、1500CC OHV 52馬力・最高速は115km・燃費はg 当たり16km

そして昭和32年2月プリンス・セダンを大きく脱皮して「初代スカイライン」がデビュー。東京の宝塚劇場で発表会が行われ多くの人々で賑わった。二代目スカイラインは昭和38年9月に発表、そして昭和39年この1500のノーズを20p伸ばしてグロリアの2000ccエンジンを乗せたスカイラインは劇的なシーンを迎える事となる。(詳しくは前項に記載)
これが「
スカG」として爆発的な人気となるきっかけとなった。
翌年の昭和40年このモデルがS54Bとして市販され、グランプリーレースにも連勝する事となる。
昭和41年6月日産自動車と合併更に競争力を高める事となった。昭和43年7月三代目スカイラインの発表、翌44年にGTRが発売された。翌45年にはハードトップが発売されこの年から始まった
第一回カーオブザイヤーで最優秀賞を受賞、又リーダーズベストカーに4年連続で選ばれた。
GTRは国内レース2年10ヶ月で50勝を飾った。そして昭和47年9月フルモデルチェンジし第4代目スカイラインが発売され人気は最高潮に達する事となる。

スカイラインは長い歴史をもつクルマである。
スカイラインを語るとき桜井真一郎氏を忘れてはならない。
彼は初代から七代目まで設計に加わり、あるいは主査として責任ある立場をとってきた。
一人のエンジニアがこれほど長期にわたってひとつのモデルを担当したケースはほかにはない。
歴代のスカイラインが一貫して追及してきたのは、抜群の高性能をセダンのパッケージで提供する事、そして「人と対話がクルマ造り」だった。
徳大寺有恒氏薯『日産自動車の逆襲』によれば飛行機を作っていたのは「中島飛行機」で解体後ブリヂストンの石橋正二氏が引き受けた会社がプリンス自動車である。
昭和38年に発売された2代目スカイラインはバランスの良い素晴らしいクルマでその当時のライバルであった「コロナ」「ブルーバード」とは比較にならないほどの高性能だったとの事。

初代スカイライン(ALSI) 1957.4〜1963.9 累計販売台数 33,759台

命名は桜井真一郎氏
国内の道路整備が急速に進み、乗用車はますます高速走行の安定性を求められていた。スカイラインはこれに応える最新の技術を持って登場した。

車名・タイプ エンジン 種類 ●排気量 ●最高出力 ●ホイールベース ●全長×全幅×全高
スカイラインALSI-1 GA30 L4 OHV 1484 60/4400 2535 4280×1675×1535
スカイラインスポーツ GB4 L4 OHV 1862 94/4800 2535 4650×1695×1385
2代目スカイライン(S50) 1963.9〜1968.7 累計販売台数 114,238台

2代目スカイラインは純オーナーカーとして誕生した。メンテナンス・フリーを基本とし3万qまで「ノーグリース」昭和40年2月2000GTの誕生(後にGT−Bとなる)125PS/5600rpm最高速度180km/h以上、これは正(まさ)しく「羊の皮を着た狼である。
この車はその当時格好いい車だなと思った記憶がある。今考えると先進的なスタイルだったのだろう。

車名・タイプ エンジン 種類 排気量 最高出力 ホイールベース 全長×全幅×全高
スカイライン1500 G1 L4 OHV 1484 70/4800 2390 4100×1495×1435
スカイラインGT-B G7 L6 SOHC 1988 125/5600 2590
3代目スカイライン(C10) 1968.7〜1972.9 累計販売台数 310,447万台

3代目スカイラインは通称「箱スカ」として親しまれた。ハートマークの「愛のスカイライン」の宣伝で人気上昇、GTRも登場しレースでの連戦連勝が始まる事となる。ハードトップモデルも追加され第一回のカーオブザイヤーを受賞、この車はは歴代のスカイラインの内で一番バランスの良い車だと思う。
このスカイラインをこの形で再現し限定販売したら売れるのではないだろうか。
こんな素晴らしい車は何時まで経っても名車である

車名・タイプ エンジン 種類 排気量 最高出力 ホイールベース 全長×全幅×全高
スカイライン2000GT-X L20 L6 SOHC 1998 130/6000 2570 4330×1595×1375
スカイラインGT-R S20 L6 DOHC 1989 160/7000 2490 4395×1610×1385
4代目スカイライン(C110) 1972.9〜1977.8 累計販売台数 670,562万台

ケンとメリーのスカイライン
スポーティ・ファミリーカーとして宣伝、CMソングがヒットする。GTRも登場したが排ガス規制をクリアー出来ずすぐに製造中止となる。
スカイラインの中では一番売れたモデル。

売れに売れた車である

車名・タイプ エンジン 種類 排気量 最高出力 ホイールベース 全長×全幅×全高
スカイライン2000GT-X L20 L6 SOHC 1998 130/6000 2610 4460×1625×1395
スカイラインGT-R S20 L6 DOHC 1989 160/7000 2610 4460×1695×1380
5代目スカイライン(C210) 1977.8〜1981.8 累計販売台数 539,727台

日本の風土が生んだ車ースカイライン・ジャパン
1600・1800はTIシリーズとなる。

発売直後の月間販売台数が新記録となった車でもある
しかし排ガス規制の影響で非力的な車となってしまった
某メーカーのコマーシャルで「名だけのGT達は道を開ける」と皮肉られたが後に日産初の「ターボ仕様車」を追加販売。汚名挽回した。

車名・タイプ エンジン 種類 排気量 最高出力 ホイールベース 全長×全幅×全高
スカイライン1600 L16 L4 SOHC 1595 100/6000 2515 4400×1625×1390
スカイライン2000ターボ L20ET L6 SOHC 1998 145/5600 2615 4600×1625×1390
6代目スカイライン(R30) 1981.8〜1985.8 累計販売台数 406,432万台

「レーシング・スポーツ」の復権
レーサーとしても名高いポール・ニューマンが広告キャラクターとして起用され
「ニューマン・スカイライン」として親しまれた。
又1983年に2000RSが発売された。4バルブDOHCである。
このエンジンはその当時レース用のエンジンを初めて市販車に搭載したもので、その反響は凄いものだった。
後期に出てきた鉄仮面は印象的だった。

車名・タイプ エンジン 種類 排気量 最高出力 ホイールベース 全長×全幅×全高
スカイライン1800TI Z18 L4 SOHC 1770 105/6000 2610 4595×1665×1395
スカイライン2000RS FJ20E L4 DOHC 1990 150/6000 2615 4595×1665×1385
7代目スカイライン(R31) 1985.8〜1989.5 累計販売台数 309,716万台

ソフトマシーン・スカイライン
テレビのCMでは
都市工学と云っていた。
流行のハイソカー路線に走った車?
スポーティローレルとか云われていた。

この頃からスカイラインは下降線を辿って行くようになる。
ライバル?だったマークUは及ばない存在となってしまった

車名・タイプエンジン 種類 排気量 最高出力 ホイールベース 全長×全幅×全高
スカイラインGTパサージュ RB20E L6 SOHC 1998 130/5600 2615 4660×1695×1385
スカイライン2ドアクーペGTS-Xツインカムターボ RB20DET L6 DOHC 1998 180/6400 2615 4660×1690×1365
8代目スカイライン(R32) 1989.5〜1993.8 累計販売台数 296,087万台

超感覚スカイライン
ポルシェをターゲットとして開発された8代目は洗練された高性能ツインカムエンジン、新開発4輪マルチリンクサスを装備抜群のロードホールディング性能。前後のオーバーハングを切り詰め丸みを持つスタイリングは走りと取り回しの良さを意識したもの。GTRが復活した。再度レースでの連勝が始まる。
比較的狭い室内はスポーツカーを思わせるポジションでホールド性の高いシートは、窮屈な印象があったが、なれてしまえばこんなものだと思うようになる。
私は新旧併せて3台乗り継いだが4WDのスカイライン(GTS-4)はベストだった。足回りに関してはほぼGT-Rと同じシステムで4ドアGT-R感覚で走れた?

車名・タイプ エンジン 種類 排気量 最高出力 ホイールベース 全長×全幅×全高
スカイラインスポーツクーペGTR RB26DETT L6 DOHC 2568 280/6800 2615 4545×1755×1340
スカイライン4ドアセダンGTS RB20DE L6 DOHC 1998 155/6400 2615 4580×1695×1340
9代目スカイライン(R33) 1993.8〜1998.5 累計販売台数 217,133万台

先代がダウンサイジングしてすっきりしたのに対し9代目は一転して肥大化して出てきた。(しかし何で日産は逆行してしまったのか解らない?マークUを意識してしてしまったのか?)

車名・タイプ エンジン 種類 排気量 最高出力 ホイールベース 全長×全幅×全高
スカイライン4ドアセダンGTS25T RB25DET L6 DOHC 2498 250/6400 2720 4720×1720×1360
スカイライン2ドアクーペGTSー4 RB25DE L6 DOHC 2498 190/6400 2720 4640×1720×1355
10代目スカイライン(R34) 1998.5〜2001.6 累計販売台数 64,623万台

ボディ剛性の高さがこの車を意のままに操る。
僅か3年と1ヶ月でV35にモデルチェンジしてしまったが、当初日産ではこの車を販売する際ボディ剛性の高さを凄く強調していたが、運転してみるとその良さは解ります。スタイルには流行遅れを感じさせられる所もありますが、ちょっと手の届きそうだったスポーツセダン。
此まで拘り続けてきた直6のFR・丸形テールランプ・サーフラインはR34が最後となる!!
『R34最後のスカG!!』

車名・タイプ エンジン 種類 排気量 最高出力 ホイールベース 全長×全幅×全高
スカイライン4ドアスポーツセダン25GT RB25DE L6 DOHC 2498 200/6000 2665 4705×1720×1375
スカイライン2ドアスポーツクーペ25GT-T RB25DET L6 DOHC 2498 280/6400 2665 4580×1725×1340
11代目スカイライン(V35) 2001.6〜2006.11 累計販売台数  ?台

非常識を発想する。 新・基軸、FMパッケージ
前後の重量バランスは52:48加速時にはこれが50:50と理想的なバランスが生み出す乗りごごち
.。私個人の意見を言わしてもらうとこの車は再生日産で出来たもので北米輸出を意識し設計し作られた車、車名こそスカイラインなのだが全く別の車、いっその事車名もインフィニティとした方が良かったかも知れないと思う。従来からのフアンを無視してしまったのである?
国内ではあまりパッとしない雰囲気だったが、このモデルから輸出開始され北米ではインフィニティブランドとして売られ2003年モータートレンドカーオブザイヤーを受賞、高い評価を得、20万台以上売れたとの事。

車名・タイプ エンジン 種類 排気量 最高出力 ホイールベース 全長×全幅×全高
スカイライン4ドアセダン250GTe VQ25DD V6DOHC 2495 158/6,400 2,850 4675×1750×1470
スカイライン4ドアセダン350GT-8 VQ35DE V6DOHC 3498 200/6,000 2,850 4675×1750×1470
12代目スカイライン(V36) 2006/11〜2014/2? 累計販売台数       ?台

この国のもっとも美しい情景をその姿に映してきたスポーツセダン。
写真を見る限りにおいてはV35と外観はほとんど変わっていない?バンパー以外同じに見える。 
 噂によれば2013年9月に一回り大きなサイズでV37がデビューするらしい話も?
(北米ではインフィニティQ50として今年11月発売開始予定)
これでも大きいのに更に一回り大きくなったら・・・・排気量、価格 庶民からかけ離れた車、欧米車輸出専用車だから国内販売が月平均数百台でもやっていけるのだろう
一時新車開発リストからスカイラインの名が消えた(GT-Rは存続)が、ゴーン氏の一声で名だけ存続される事となりこの車がスカイラインの歴史を引き継ぐ事となったそうなのだが?それがなかったら今は過去の車になっていた訳・・・・・・・・・同じ事か?

車名・タイプ エンジン 種類 排気量 最高出力 ホイールベース 全長×全幅×全高
スカイライン4ドアセダン250GT VQ25HR V6DOHC 2498 165/6400 2,850 4780×1770×1450
スカイライン4ドアセダン370GT VQ37VHR V6DOHC 3696 243/7000 2,850 4780×1770×1450
13代目スカイライン(V37) 2014/2〜

         新生スカイライン上陸。
     さあ、日本のプレミアムを騒がそうか。
     日産が世界で培ってきた圧倒的な次述力。
     ハイブリッドをまとった新生スカイラインが今、日本に解き放たれる。

 内容はほぼ噂通りだったが2ヶ月程遅れて2013年11月に正式に発表。
発売は更に遅れ2014年2月末発売との事。
パワーユニットは、全車にハイブリッドを採用し3.5リッターV6エンジンにモーターを組み合わせた1モーター2クラッチ方式の“インテリジェントデュアルクラッチコントロール”は、システム最高出力364ps、燃費は18.4km/L(JC08モード)を達成する。
車体には、高い技術力を駆使して開発された証として、日産が海外で展開する高級ブランド“インフィニティ”のバッチが装備される。(であれば日産のイメージリーダーカーとして車名も同じインフィニティにすればよかったと思うのだが?)
   価格は、449万6100円から553万7700円。
  この内容から庶民にとってまったく手の届かない超高級車になってしまった。

車名・タイプ エンジン 種類 排気量 最高出力 ホイールベース 全長×全幅×全高
スカイライン350GT HYBR10 VQ35HR V6DOHC 3498 364/6800 2,850 4800×1820×1440
スカイライン350GT FOUR HYBR10 VQ35HR V6DOHC 3498 364/6800 2,850 4800×1820×1440

各モデルごとの累計販売台数は日産のホームページで確認したものです。



こちらは最近日産が作成したもので歴代のスカイラインが解りやすく書かれています。
クリックし是非ご覧下さい。

SKYLINE HERITAGE
歴代のスカイラインを、カタチとテクノロジーでひもときます。

残念ながら2004/1/18で閉館となっております。
プリンス&スカイライン・ミュージアム『レッドパーク』 
茨城県水海道市宝町2771
 スカイラインのオーナーズクラブ4団体が設立したスカイラインやプリンス系の車種の博物館。1階のメインホールで数々の伝説を生んだ栄光の赤バッチから最新のGT-Rまで常時70台を展示するほか、手書きの設計図面や未公開写真等のあるプリンス資料館、村山工場メモリアルコーナー、ミニチュアカー博物館などがある。また、体験ドライブやレーサー講演会などイベントも数多く行われている。
PRINCE&SKYLINE
プリンス&スカイラインミュウジアム
プリンス&スカイラインミュウジアム
394-0055 長野県岡谷市字内山4769-14 烏居平やあまびこ公園内
上記のレッドパークが廃止となり全国で唯一の施設となった。
最後のスカG保存会
日産・R34型スカイライン4ドアセダンのオーナー限定で構成されるクラブ
当会ではR34に象徴される硬派な「スカG」こそ、スカイラインの本質だと考えております。
会員数 130名(04'04.05現在)
The Scudding Of the EAST
東日本を中心に活動しているスカイラインオーナーのクラブ
メンバー資格は、日本在住のスカイラインの所有者または使用者で有れば登録できます。
会員数 850名(04'03.26現在)
 R34 2001年式
私の現在の愛車です。 購入契約を結んだ3日後に新型のV35が発表され一時がくっときましたが、かえって良かったのかも知れません。 その後発表会でV35を見た時凄い違和感を感じたものです。
現在18年目(2019年)、走行距離は16万Kmオーバーですがエンジンは絶好調です。  ガソリン代高騰が続くと燃費の事が気になる(省エネの車ではないが)もののその他問題点無くもしこのまま動いてくれたらずーっと乗り続けて行こうと思います。
 現実にR32なんかはまだまだ数多くの現役車が、極偶にR30を見かける事も、箱スカはイベントで見かける事はあるものの、日常で恒に走っているケースは?
 
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山形simozyo 2001.08.15作成 2019.03.19更新